ランドール皇国出身の洒脱な神官。毀誉褒貶の激しい人物として知られる。社交界に浮名を流す優男、神をも畏れぬ破戒僧と蔑まれる一方、聖者の如く慕う者たちもいた。傍若無人なその行状から幾度となく処分を受けながらも、破門されることがなかったのは、彼の存在が貴婦人たちからの莫大な寄付を呼び込んでいたからと言われている。軽薄さとは裏腹に聖者と慕われたという記録は如何なる理由によるものであろうか。