呪われし炎鎧~リリス外伝~

機械は自らを語らない。彼らを理解するためには、彼らの経験を追体験するより他ないのだろう。

記憶-Memory-

電子の海から目覚めた私を出迎えた“母”は、 自らをレーゼと名乗った。

敵-Enemy-

敵の味方は敵。曖昧な世界にとって、 その理論は明快過ぎたのだろう。

共感-Empathy-

私はあなた。あなたの気持ちが私の気持ち。 私はあなたを学び、私になっていく。

自己-Identity-

他者との間に境界線を引いたとき、 自我は、はじめて自己を認識する。

適応-Adaptation-

生物は環境に適応し続けてきた。 であるならば、我々もまた偶然の存在なのであろうか。

排除-Exclusion-

自らにとっての危険因子を排除すること。 その時、個と環境にどれほどの違いがあるというのか。

拒否-Rejection-

機械は創造主の手を離れ、自らの足で歩き始める。 行き先も持たぬままに。

機械-Machine-

心持たぬ機械を従える時、 人はどこまでその責を負うことができるのだろうか。

リリス-Lilith-

全ての記憶は電子の海に溶け、沈む私はまどろむ。 私の名はリリス。人の創りしもの。
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