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No.0060≪宿業の功罪≫

ヴァラルド

CV: 笠間淳

異界ゴルナダの古い歴史書に登場する貴族。
代々“魔王”を輩出してきた不死の血族の生まれで、特殊な魔力を宿す血液を手足のように自在に使役していたとされる。
血を介して相手の生命力を奪い、更にそれを自らの意志で他者に分け与えることが可能。誇り高き貴族として下々の者を庇護するが、その愛護心は同族である魔族にしか向けられない。

魔王。それは文字通り魔族の王であり、その時代で最も強い魔族に与えられる称号であった。ヴァラルドは何人もの魔王を輩出した一族の生まれで、心臓を失わぬ限りは老いも死にもしない不死の存在であった。
己の血を自在に操り、他者の血を奪ってその生命力を我が物とした上で自身の眷属へ変えるなどその力は突出しており、次期魔王候補の筆頭であったと当時の記録に残されている。

ヴァラルドは慈悲深き男であった。自らの生まれに誇りを持ち、力なき民を庇護し施しを与えるのが持つ者の務めと信じて疑わなかった。
しかし、彼が慈愛を向けるのは同族のみであり、当時ゴルナダで数を増やしつつあった「人間」という種族に対してはひとかけらの慈悲も与えずただ血液を生産するだけの家畜として扱った。このヴァラルドの仕打ちは魔族と人間の間に深い溝を作ることとなった。

人間は力を持たぬ存在であったが、子孫を残しにくい魔族に比べ瞬く間に数を増やし、やがて二つの種族の間で戦が始まった。はじめは魔族側優勢だった戦況も次第に人間側に傾き、不死の血族たちは憎悪の象徴として特にその心臓を狙われた。ヴァラルドもまた自身が家畜と蔑んだ者たちの手で命を落とすこととなる。
次期魔王候補を失った魔族たちは偽りの魔王として一人の少女を見出す。敗戦処理の道具とするために。